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東京国立近代美術館「戦争画」特集、他

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終戦(というか敗戦だが)70年のためか、東京国立近代美術館ではいわゆる「戦争画」が多く展示されていた。

御厨純一「ニューギニア沖東方敵機動部隊強襲」。飛行機の煙を見てつい「ブーン!」って子供が言いそうだ。



石川寅治「渡洋艦隊」。荒波を越える戦闘機。ちょっと燃えるよねえ。



小川原脩「成都爆撃」。この超上空視線というのは、いろいろな問題を秘めていると思う。



佐藤敬「クラークフィールド攻撃」。燃え上がる煙が印象的。戦闘機を大きく描くな、と軍部から指示があったそうだ。



藤田嗣治「哈爾哈河畔之戦闘」。横長の超大作で、戦車などを除けば、ある種の爽快感すらある風景画だ。



鶴田吾郎「神兵バレンバンに降下す」。雲と白い落下傘が不思議なメルヘンムードを漂わせる。当時「あまりに楽天的」と評されたようだ。



古沢岩美「餓鬼」。戦後に描かれたものなので、戦争の特に醜いイメージが抽出された作品。



森村泰昌「烈火の季節/なにものかへのレクイエム」。戦争画ではなく、7分47秒のビデオ作品。「なにものか」というのは三島由紀夫なのだろうが、森村が三島に扮し、現代日本美術の「死」を痛烈に訴える作品。終わった後に演説の前の場所が映されるのだが、ほとんど誰もいないという寂しさ。半分真剣、半分冗談と見るべきか。



画を見ただけでも「戦争画」が単純に「神国日本万歳!」だけで描かれたものではないのだなと思う。

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