Quantcast
Channel: 散歩日記X
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4490

春の東京(10) 宮川香山

$
0
0
サントリー美術館「没後100年 宮川香山」展へ。

「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒蓋付水指」:猫の耳の中まで細やかに表現されている。
「瑠璃釉高浮彫猫花瓶」:猫が金ぴかのカマキリを食べている。
「高浮彫親子熊花瓶」:花瓶にくぼみを作り、そこに親子の熊を造形。冬眠のイメージだろうか。

「黒釉高浮彫粟ニ鶉花瓶」:花瓶からウズラが実体化しようとしている。
「高浮彫桜ニ鳩飾皿」:もはや皿というより、シャドーボックス化したような作品。
「高浮彫蔦ニ扇花瓶」:花瓶の表面に扇と枯れ葉が表現されている。

「高浮彫枯蓮ニ雀花瓶」:花瓶のどてっ腹に蓮の花があり、「ベムスターかよ!」と突っ込んでしまいそう。
「釉裏紅赤雲龍文花瓶」:色彩が絶妙。私が初めて宮川香山を見たとき、立体造形というよりもフォルムと絵付けの美しさに感動したのを思い出す。
「釉裏紅暗花柳図花瓶」:釉薬の下に潜ませた柳がかすかに見える作品。

「青磁菊花紅象嵌釉花瓶」:青磁に下から「ミヨヨーン」と紅の色彩が伸び、現代アートの雰囲気。
「緑花紅花瓶」:血か花びらのように赤の色彩が舞う。これも現代アートのようだ。
「仁清意少女立像」:右足のかかとを浮かせてあるという、絶妙な少女像。

「白磁十一面観音立像」:モデルの仏像があるらしいが、素晴らしい造形力、再現力である。
「高取釉高浮彫蟹花瓶」:有名な2匹の蟹が張り付いている作品。これが展示会場の冒頭にあり、否が応でも盛り上がる。
「高浮彫桜ニ群鳩三連壺」:リクエストが強かったのか、一部作品が撮影可能なのだ。





最近は香山と言えば、花瓶に蟹がついていたりするビックリするような造形が話題になりがちだが、そもそも素晴らしい色彩と形の作品を作る人だということも、忘れていない展示で良かった。見に来た人たちは、その辺もわかってくれたかな。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4490

Trending Articles