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20130323ギャラリー巡り

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本日はらいらっく→HOKUBU→エッセ→大同→チカホ→道新→新さっぽろ→CAI02→富士フイルム→OYOYOの10か所。3/20と合わせて19か所と、まあまあ行った方だろう。

■らいらっくぎゃらりい「久野志乃展」。2013年の作品が3点あり、猛烈に嬉しい。
「交差しない光と暗い部屋」:画面に複数の人間が登場し、何かを探すように懐中電灯を向けているのだが、それぞれの光は交差せず、同じ方向を照らすことはない。中央にはオレンジ色のテントが描かれているが、その中は何も見えないほどに暗いのだ。
「氷のカーテン」:画面の奥に向かって走りながら、氷の山にライトを向ける女性。

これまで私は久野志乃の作品に対して「ここから壮大な物語が始まるのかもしれないし、素晴らしい物語が終わった瞬間に私は立ち会っているのかもしれない。」という、ある瞬間を切り取った印象を受けていた。しかし、今回の新作では、これからも画面の中の人々には冒険と人生が続いていくという、時間の流れを感じるのだ。そして、その冒険は結局のところ一人一人が道を選ばねばならないことを。

■HOKUBU記念絵画館「IWAKIRI YUKO AND FURUYA HIROKO」。私の知らない版画家2名による展覧会。とはいえ、館内にあった「版画芸術」によると、結構活躍されている方なのかも。

岩切裕子「Paradise Motel」:手前に広がるのは広い砂浜だろうか。風紋のような模様が見える。そして遠景には遺跡風の穏やかなホテルが見える。色が繊細であると共に、余白の美を感じさせる。
岩切裕子「Pianissimo」:グランドピアノの形に、モザイク状に色々な色彩を配している。そしてその手前には小さな家が描かれている。背景が2次元的なのが特徴のような気がする。
古谷博子「夜の声」:卓上の静物画だが、謎の黒い点や食器には思えない不思議な小物が置いてあり、謎めいた感じ。

今回の二人展は色彩の繊細さ等の共通点も多いながら、それぞれの作風の違いもはっきりしているという意味で、良い展覧会であったと思う。岩切は作品の中心には建物があり、古谷の作品には中心点が不在という印象を受けた。

■地下歩行空間北1条イベントスペース「biotope」。PARC=Public Art Research Centerが企画した展覧会。



国松希根太「GLACIER MOUNTAIN」:恐らく北2条STVビルの展覧会でも展示されていたものだと思う。



平尾哲「monocoque furniture」、奥の写真は酒井広司「赤平、立抗と抗口浴場跡」。



川上りえ「An Afterimage(残像)」



ワークショップで椅子や生き物(針金などで)、ブローチを作る試み等は良いと思うが、人工芝を置いて「biotope」はもう少し何とかならないのという気がした。

■道新ギャラリー「第31回学生写真道展」。
鍋谷有希「こんぶ体操」:昆布をしょって手を広げる少年。ユーモラス。
福士夏子「自業自得の夜」:小さなろうそくに浮かび上がる本の題名は「人間失格」。何かあったのか!
門別春香「ないしょばなし」:謎の西洋人形に顔を寄せる女性。

■新さっぽろギャラリー「柴崎康男展」。
「ユングフラウ」:圧倒的な山肌とそれに負けないほど真っ青な青い空。強烈な印象。
「マッターホルン」:人を寄せ付けない灰色の角。陰鬱な空も雰囲気を高めている。
「海明け」:かすかに青い海の色が見えるが、空は真っ黒だ。人工的な光のない世界である。

■CAI02「CAIアートスクール17期生卒業制作展」。
阿部芳美「ひっそりと」:人影が写っている小さな写真を集めて、人型を作ったもの。人影って所がいい。
小林龍一「Sensitive tower」:A4の用紙を数千枚、ひねりながら高く積んだもの。触れるのも恐ろしいタワーである。

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