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「札幌国際芸術祭を振り返る」

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フォーラム≪北海道写真とアーカイブ≫終了後、食事を慌てて取り、札幌市役所の地下食堂で行われるイベントに参加した。以下、メモを公開するが、もちろん聞き取りミスもあるし、話を分かりやすくするために意図的に少し改変したところもある。人間の限界としてお許しいただくとともに、以下の文面内容については、私の責任において発表する。乱筆・乱文ゴメン。

500m美術館がみた札幌国際芸術祭2017 関連トークイベント「札幌国際芸術祭を振り返る」
 大友 良英(SIAF2017ゲストディレクター/音楽家)
 端 聡(SIAF2017企画メンバー/美術家)




→参加は100名超えていただろうか。

■大友、端両氏の対談(プラス、500m美術館の展示紹介など)
・500m美術館で今やっている展示の大部分は端氏がやったのではないか。
 (スライドで展示紹介)
 藻岩山の展示は「大きな作品作ってね」とお願いしたらあんな感じになった。
 準備に1年、木に登る練習から始めたらしい。
 500m美術館の「スキー」の展示は今だから言うけど、聞いた時はポカーン状態。
 一番期待していなかった(大友)
・大友さんのガラクタの星座を再現したが、500m美術館の展示ケースは幅が60cmしかない。
 大変だった。時間が無くなり、搬入を手伝ってもらったものの、最後残り1時間。
 展示の写真を見ることも無く、記憶と雰囲気で置いて行った(端)
・いや、あれでパーフェクト。新しい作品になったかもしれない。
 ところであれの片づけが大変そうだ(大友)
・今、片付けの話は聞きたくなかった(端)

・年表に札幌トリエンナーレの話がある。3回やったが、4回目はできなかった。
 近美を貸館で会場にして、アーティスト側がすべて運営。自分の作品作りもあるし、続けられなかった(端)
・90年代に入ると、バブル崩壊もあって年表がスカスカになる。(端)
・海外アーティストのホスピタリティも考えて、札幌で文化庁のやったレジデンス事業に応募したら、
 思いがけず助成金がでることになった(端)
・その後、「FIX MIX MAX」で、明確に本格的な国際芸術祭を目指す宣言をした。
 ただ、これは助成金の申請をしていない。最初から申請すると、それありきだろうと。
 すると、ギャラリー門馬の門馬さんが、それまでのギャラリー収入を全部+着物を売って250万円出してくれた。
 これで何とか開催できた。(総費用は450万円)(端)
・さらに500m美術館、チカホができ、現代アートに触れる機会が増え、アレルギーも減った。
 2011年のプレ企画をその後開催(端)
・その時声がかかったが、準備期間が無さ過ぎてお断りした。確か震災のあった時か(大友)
・震災では本当に中止しようかどうか迷った。しかし、こんな時こそアートの火を消してはと(端)
・なんでもやめるのは良くないと思う。(大友)

・ところで、国際芸術祭をやってみて、最初に考えた構想と違っていない?
 坂本色あり、今回は大友色でどう?(大友)
・大丈夫。後発の芸術祭なんだから、知ってもらうことが重要。
 世界の坂本、あまちゃんの大友、まず知ってもらおうと(端)
・「あまちゃん」で急に庶民的になるよね。でも世界の人、世界のキュレータに札幌の芸術祭、
 アートを見てもらえる。でも「盆踊り」は坂本さんの発想じゃないよね(大友)
・あまちゃんは組織の上の方へのアピールだったかもしれないが、
 福島のプロジェクトで市民とやっていくことに取り組んだ。札幌のは後発の芸術祭。
 札幌市だって伝統が無く、後発の都市。町おこし型の芸術祭が比較的続く
 傾向があるが、札幌くらいの都会だとそれでもない。しかもディレクターが2回連続音楽家。
 こんなのない。じゃあバンドっぽく、いろんな人と組んで。
 それから「最初にやりたい」って言った人は誰か聞いてみた。そうしたら、端さんだと。
 やりたいと言った人には入ってもらいたかった。面識はあったけど、正直、作品は見たことが無かった。
 後は沼山さんに光を当てたかった。
 ずっと独自で前衛音楽のプロデュースなどをやっている人。愛情を持ってやっている(大友)
・最初にやりだした人は愛情があるんだけど、後から入ってくる人は役所の人が仕事でやっていたりして、
 接するとストレスがある。愛情のある人とやりたい。
 役所の人が熱を入れすぎても、それはそれでヘンな方向性を持たれても困るということもあるが(大友)

・なぜここまで来たかも分かってほしい。だからこそ沼山アーカイブを作り、
 マークレーアーカイブを作り(大友)
・アーカイブは個人じゃできないし、何をどこまで含めるかも難しい。ぜひ、見てほしい(端)
・これこそ税金を使わないと。多くの人の知恵が必要だし、重要さをひしひしと感じる。
 札幌はヨコトリ型と同じ方法論では勝てない。札幌型を作っていった方が良い。
 今回はたまたま展示箇所の数が特徴になったが、音楽型のやり方。
 新聞に市民に届かないといろいろ書かれたが、今、ライブでやっているんだから、届かないのが当たり前。
 その代り、アーカイブを置いていくことは必要(大友)
・今回の展示は全部バラバラ。だけど、500mのアーカイブにすると見える。
 伊藤隆介さんの展示にもあったが、ゴミは文化だし、生活のレイヤー。(端)
・今回のヒントは一つはモエレ沼、もう一つは坂ビスケットにあった。
 普通なら捨てているものが愛情を持っておいてある。坂さんがいたのは大きい。
 札幌で芸術祭をやるのに、どうしようって考えた。北川フラムさんは町おこし。
 芸術を見せるというのはあるけど、ヘタにやると地元が低く見える。それは嫌。
 皆さんと話を始めた時も「有名なアーティストの話は絶対するな」と。(大友)
・これには困った(端)
・ジョン・ケージもいいけど、友達の○○君に勧められたでいいじゃない。
 端さんはアートをやりだしたのはどんなきっかけ?(大友)
・家が看板屋で、そこの息子(端)
・ほら!いいじゃない。1回、権威に頼るのはやめようと。
 実は企画書みて、有名人の名前が何個あるか数えちゃった(大友)

・それから「芸術祭って何?」というテーマ、これ、ありえない。
 普通はテーマがあって、コンセプトがあって、最初に聞いた時には驚いた。
 うーん、日本の事、神道、縄文文化、深読みして(端)
・そこまで考えていない。ただ、テーマの多様性は考えた。人に「芸術祭って何?」と聞くと、
 自分が求めている答えじゃなくて、その人なりの答えがでる。
 ディレクターになり、普通のテーマも考えたけどつまらない。テーマをどうやったら限定しないか、
 ということを考えた(大友)
・キュレーションが無いとも批判された。大きな意味ではあるけど、確かに無い。
 「国際」というのも困った。分かりやすいのは何か国から何名が参加というもの。
 だけどそうじゃない。外国から来た人が当たり前に芸術祭をわかり、楽しめることが重要。
 東京は考える人が日本の枠でしか考えていない。欧州でも、身近に外国語があっても難しい。
 本当に大変なこと。ここに気づくのが遅れた。
 マークレーがパンフレットを見た瞬間に「あ、マークレー読めないよね」と。
 自分が使っている言語、馴染んでいる文化以外のものがあることの理解だと思う。
 事務局に日本語出来ない人入れるとか。仕事もできないと困っちゃうけど(大友)

・端さん次はどうしたい(大友)
・認識が現実を変える、振動が水に及ぼす…(筆者注:この辺、疑似科学っぽくて困った)
 北海道の開拓史や、自然の恩恵でもある石炭もあるし、縄文文化、アイヌ文化。
 自然に対する畏敬の念などを取り上げた芸術祭かな(端)
・アートディレクターは2回はやらないと言っている。自分も58歳でミュージシャン
 としてのピークは後10年か。ただ、次に向けて言いたくなることはある。
 続けてほしいのは従来型の美術展ではなく、完全にできたとは言えないが参加型。
 もう一つは「国際」の意識。他の国の人が来てもわかる、楽しめる。
 札幌でやる意味を見出してほしい。日本スゴイでしょ、じゃなくて、個々の歴史の多様性と普遍化。
 難しいと思う。全体主義が一番簡単。小さすぎても意見が統一されるし、大きすぎても無理。
 札幌は街に中心エリアがある。横浜はあるようでない。
 ちょうど良い環境。思い切って、ディレクター制度だって変えてもいい(大友)
・展覧会には昇りつめたエリートがでるという意識がある。それも必要なんだけど、それだけじゃない。
 子供がオーケストラをやってもいい。だけど、クオリティが低くても
 「皆がやっています」を言い訳にはしてほしくない。発信側に上下はない(大友)

■QAコーナー
最初から「失敗」決めつけのつまらない質問(というよりご意見)、自分で質問とは関係のない方向に話を広げ過ぎて、回収できなくなっている発言、「ノイズ電車」に乗っておいて「うるさくてノイズっぽかった」という人。まったく意味のない時間だった。

******
私自身、今回の芸術祭ですべての展示が素晴らしく良いものだったとは思っていない。むしろ、かなり多く「あれれ」と思ったことは事実である。しかし、今日気がついたのだが、そこには「多様性」の視点が欠けていた。

私が理解できるものだけが芸術であるわけが無いし、不愉快なものも当然あるだろう。それを今日の大友氏の話でやっと理解できたような気がする。今日の催し物は非常に私にとって非常に意味があった。

今日、私の札幌国際芸術祭2017は、いい形で無事に終わった。

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