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新年度の東京(2)

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ミッドタウンの「Street Museam」を見ながら、新国立美術館に向かう。

松本千里「息吹きの園」。



山根英治「景色と大きさ」。



七搦綾乃「手と霞」。写真じゃあまりにもわかりにくいな。



金子未弥「都市を解剖して忘却を得る」。

 

遠藤有奈「Urban Shade」。



大野光一「空を支える二本の柱」。



■国立新美術館「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」。
ドミニク・アングル「イポリット=フランソワ・ドゥヴィレの肖像」:この上手さと、人間の実在感はどうだ。
ルノワール「アルフレッド・シスレーの肖像」:白いスカーフ以外は、まだきっちり描けている時代の作品。
シャヴァンヌ「コンコルディア習作」:シャヴァンヌってこんな作風だったっけ。額にも花と果実が描いてある。

エドゥアール・マネ「燕」:マネの屋外風景らしく、空の下、草原に黒と白の服の女性2名が座っている(服は着ている)。
エドゥアール・マネ「ワシミミズク」:ザクっと板の上に鳥を描いた、未完にも見える作品。
クロード・モネ「ヴェトゥイユ近郊のヒナゲシ畑」:ヒナゲシの赤が写り込んだようなグレーの空は筆跡もグイッと残り力がある。これにビュールレさんがほれ込んだらしい。

クロード・モネ「ジヴェルニーのモネの庭」:花に囲まれたピンクの通路に、ピンクの服を着た女性が歩いている、華やかな作品。
エドガー・ドガ「控室の踊り子たち」:ザクっとした線で、踊り子の形を捉えるドガである。
エドガー・ドガ「14歳の小さな踊り子」:ブロンズ作品だが、360度の鑑賞に堪えるのは素晴らしい。

ルノワール「イレーヌ・カーンダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」:確かに上手いが、女性としての色気はない年齢か。髪の毛の様々な色を良くとらえていると思う。



ポール・セザンヌ「聖アントニウスの誘惑」:この暗い色が本当にセザンヌなのか。
ポール・セザンヌ「センスを持つセザンヌ夫人の肖像」:仮面っぽい顔の夫人。仮面夫婦だったのか、いやあえて表情を排した画なのだろう。
ポール・セザンヌ「赤いチョッキの少年」:これも表情があまりないが、プロのモデルを雇って描いたものらしい。物の形を捉えることに主眼を置いたのだろうか。

ゴッホ「日没を背に種まく人」:一目見た感じは「和」である。手前に梅のような気が大きく描かれているのが、浮世絵を思わせるのだろうか。しかし、種まく人のサイズがかなり大きく、この辺は浮世絵の感性ではないと思う。
ゴッホ「二人の農夫」:ある種、子供が素直に描いたような作品。物の輪郭線の強調と、空や雲を一生懸命筆で描こうとしているところがゴッホらしい。雲の流れは、花京院が死んだときの「JOJOの奇妙な冒険」を思わせた。
ピカソ「ギュスターヴ・コキオの肖像」:美術批評家を描いたものらしいが、人となりが余りにも伝わってくる感じ。ピカソの画中画も面白い。

ゴーギャン「肘掛け椅子の上のひまわり」:晩年のゴーギャンの作品。ふと、ゴッホを思い出したか。窓から見える水浴びする二人の関係に想像を馳せてしまう。
ボナール「アンブロワーズ・ヴォラールの肖像」:額に残された筆跡、何となく困った顔が現代だ。
ヴラマンク「ル・ペック近くのセーヌ川のはしけ」:割と明るくペラペラな時代のヴラマンク。深刻ぶったパターンよりもいいかも。

ドラン「室内の情景(テーブル)」:強い色と影のつけ方は、確かにドランだ。
ブラック「レスタックの港」:点描とフォーヴの間の時代と言える。
ブラック「ヴァイオリニスト」:作品の中心がどこにあるのか分からない作品

ブラック「果物のある静物」:普通の静物画のように一見見えながら、それぞれの静物が宙に浮かんでいるかのようにも見える作品。
ピカソ「イタリアの女」:トランプの女王にも見えるような、カラフルかつシンプルな女性像。
ピカソ「花とレモンのある静物」:何となく人の顔にも見える静物画なのだが、花がメフィラス星人の顔を思わせるのか。

クロード・モネ「睡蓮の池、緑の反映」:これは最後の部屋にあり、撮影可の作品であった。SNSにのせる場合は、自分の責任でということであった。


→ちょっと遠目から写したものをアップする。

全体的に混雑していなかったので良かったのだが、逆に人が少ないため作品から作品に人の列ができずに、順路に沿うという感じがなかった。いろいろな方向からワラワラと人が集まってきて作品を見るので、それが結構面倒だったように思う。

全体としては有名作家の作品が中心で、「とても分かりやすい西洋絵画の展覧会」だった。

ここから乃木坂駅に移動し、大手町経由で竹橋に移動。



竹橋から地上に出ると暑く感じられる。東京国立近代美術館本館の前をとりあえず抜けて、まずは工芸館へと向かう。途中にモネっぽい池がある。



「北白川宮能久親王銅像」。すみませんが、誰?



久しぶりに来た工芸館、杉本繁「風の韻」。



速水史朗「からみあった柱」。



空充秋「遷移」。



■東京国立近代美術館工芸館「名工の明治」。
初代永澤永信「白磁籠目花鳥貼付飾壺」:編んだ籠のような陶磁器で、かつ梅に鶯の精密な飾りがついている。個人蔵だそうだが、恐ろしくないか。
鈴木長吉「十二の鷹」:あまりの馬鹿っぷり(誉めてると思う)に驚く作品。

 
→十二羽の鷹が、手すりに止まっている形で展示されている。

清水卯一「青瓷大鉢」:氷を何層にも重ねて罅を入れたような貫入は素晴らしい。
増村益城「乾漆朱輪花盤」:とろりとしたオレンジ色のような朱色が見ものだ。
松田権六「蒔絵桜鳥平卓」:桜と鳳凰を描いたものか。ちょっとした小宇宙になっている。

浜田庄司「青釉十字文大鉢」:俺たちのハマショーはやっぱりこれだよ。



三代徳田八十吉「燿彩鉢創生」:浜田庄司がハマショーなら、こっちは「俺の名前は徳田八十吉、旗本の三男坊だ(ウソ)」。私はこの名前を見ると、つい心の中で「上様!」と読んでしまうのだ。



なんといっても「十二の鷹」が驚きの展示っぷりで、見ものであった。



ここから本館に戻り、前回「熊谷守一展」で来た時に、あまりにも高速ですっ飛ばした常設展を見る。おっとっと、その前に、本館の前にあった、イサム・ノグチ「門」。



ここから、今回の展示。梅原龍三郎「自画像」。洒落こいてる。



萬鉄五郎「太陽の麦畑」。ゴッホ入ってます。



戦争画特集。橋本八百二「サイパン島大津部隊の奮戦」。奮戦というか、悲惨という感もあるが。



中山巍「神兵奮戦之図(落下傘部隊バレンバン製油所攻撃)」:確かにこれはまだ奮戦の図にも見える。



鈴木良三「衛生隊の活躍とビルマ人の好意」:かなり温和な作品だが、ビルマ人の好意と受け止めて良いのだろうか。向こうからすると、ヘタすれば略奪されると思って親切にしていたのではないか?



猪熊弦一郎「〇〇方面鉄道建設」:こうなるともう、建設テツ?



北野謙「「our face」より東京のキャバクラ嬢29人を重ねた肖像」:目のところがシャープなのを見ると、ここを中心に重ねたのだろう。



北野謙「「our face」より和歌山県高野山専修学院の真言密教僧侶35人を重ねた肖像」:いろいろな集団の合体肖像写真があり、面白かった。



平櫛田中「鶴氅」:岡倉先生の顔をみつつ、本日は終了。

 

常設展を見終わると、結構疲れた。まあ、このくらいで切り上げるのがいいのだろうなということで、竹橋から日本橋を経由して、神田に移動。荷物が少々重いので、ホテルにチェックインする。



ウェルカムドリンクのコーヒーを飲み、しばらく休憩してから、夜の街に出動だ。


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