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Channel: 散歩日記X
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天候が悪くなかった東京(9)

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■東京都美術館「プーシキン美術館展-旅するフランス風景画」。私が入った時は待ち行列がほぼなかったが、帰りはチケット売り場に100人以上の人が並んでいたと思う。明日で会期が終了となるせいか。

ジャック・ド・ラジュー「狩猟後の休息」:ブランコに乗る女性が描かれており、ブーシェ的だ。
ウジェーヌ・ルイ・ガブリエル・イザベイ「ムーア式の入口」:建物の間にある馬蹄形の入口で、これは異国風味を醸し出している。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー「夕暮れ」:小さく夕日を浴びる二人が描かれており、実にうまい。

ギュスターヴ・クールベ「水車小屋」:古典的な画を見てきて、ここにたどり着くとやはり驚かされる。これは須田国太郎ではあるまいか。
ギュスターヴ・クールベ「山の小屋」:今度は絵の具のテカりが、岸田劉生だ。
レオン=オーギュスタン・レルミット「刈り入れをする人」:今度はぐっと写実、いやリアル画に近づいてきた。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰」:雰囲気は傑作なんだが、これはちょっと描写が荒っぽい感じだ。
ルイジ・ロワール「パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)」:横3メートル近い巨大な作品。全面、茶とグレーで描かれているのが、都市的であり、当時からすると未来的だっただろう。
エドゥアール=レオン・コルテス「夜のパリ」:都会の夜が描かれるようになったのも、照明ができてからの話である。

アルベール・マルケ「パリのサン=ミシェル橋」:ついに20世紀に突入。橋の上を走っているのは電車だろうか。
クロード・モネ「草上の朝食」:都市に住むからこそ、娯楽で田舎にピクニックに出かけるのである。遠見に上手いのだが、顔は意外と下手だね。



ポール・セザンヌ「ポントワーズの道」:描かれているものは普通の風景なのだが、セザンヌの画って、どっか変だよね。
アンリ・マティス「ブーローニュの森」:マチス、良いねえ。樹木を黒や灰緑色で描いているのだが、この人の色使いはなかなか思いつかない。
モーリス・ド・ヴラマンク「小川」:おや、セザンヌっぽいぞ。この人も若いときはいろいろ真似してると思う。

パブロ・ピカソ「庭の家(小屋と木々)」:家も塀も出ているのか引っ込んでいるのかわからない描き方。ピカソの作品としてはいい方だと思う。
ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め」:セザンヌのサント=ヴィクトワール山を描いたものは何点か見ているが、その中での最高傑作。力強さ、抽象といってもいい造形に圧倒される。最晩年の作品とのこと。
アンドレ・ドラン「岩の間の小道、ソセ=レ=パン」:ドランに風景画のイメージってなかった。岩と松が力強い。

モーリス・ドニ「ポリュフェモス」:この人の色使いも、ちょっと思いつかない。
アンリ・ルソー「馬を襲うジャガー」:馬の顔が見えているので、むしろ馬が勝っているかのように見える。



日本では多い、そんなにテーマ性があるとは言えないよなという展覧会だったが、いくつか素晴らしい作品を見ることができたので、満足した。この後、大物展覧会を見る気が薄くなり、東京都美術館で無料の展覧会をいくつか見る。

国立西洋美術館の「ミケランジェロ」はあまり見る気がしないしなあ。一応、上野の森美術館の前を通ったら、「ミラクル・エッシャー展」は入場まで30分待ちとのことで、迷いなく断念。上野から蒲田に移動する。ふー、疲れたよ。

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