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20181008ギャラリー巡り

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本日は近美→SCARTSコート→ARTスペース201の3カ所。

■北海道立近代美術館「極と巧 京のかがやき」。
幸野楳嶺「春秋蛙合戦図」:力み切った蛙の姿が面白い。
野長瀬晩花「ヴエルダン風景」:建物が独特の丸みを帯びた表現で、童話の中の風景のようである。

前半の日本画はほとんどの作品が前期・後期で入れ替えになる。上期出品の有名どころは竹内栖鳳、土田麦僊、菊池契月、村上華岳、徳岡神泉、上村松園、富岡鉄斎、福田平八郎、山口華楊など。

そして、やはり注目すべきは工芸である(こちらは入れ替えなし)。

石川光明「蓮根に蛙牙彫置物」:蓮根の根茎には、いちいち複数の穴が開けてあり、細かさが見どころだ。
安藤緑山「貝尽くし牙彫置物」:貝の精密さはもちろん、表面にフジツボがついているところが細かい。
正阿弥勝義「鯉鮟鱇対花瓶」:鯉の方はさておき、鮟鱇が立ち上がり、上に口を向けたところに花を生けるのだそうだ。

明珍「蛇自在置物」:蛇の胴体のカーブがトロりとした柔らかさに見える。
高瀬好山「鯉自在置物」:水にスーッと流れるかのような鯉である。
並河靖之「桜蝶図平皿」:これは緑地に蝶を描いた傑作なのである。なぜ、蝶同士を重ねたところがあるのか、聞いてみたいものだ。

並河靖之「四季花鳥図名刺入」:黒の上にカラフルな花鳥。名刺入れとあって、これはぜひ欲しい。
並河靖之「蝶に花丸唐草文花瓶」:胴体部の8面を4色に売り分けながらも、下品な感じがしない傑作。
安東重兵衛「葉鶏頭図花瓶一対」:赤と緑を同じ有線の枠の中に入れて、グラデーションを出して不自然ではないというテクニックだ。

香川勝廣「菊花図花瓶」:銀の打出で作っているそうなのだが、どうやったらできるんだ?
輝山「花鳥尽し鉢」:絵付けでこの大量の蝶、驚くべきだ駒品だ。
四代長谷川美山「京都名所図透彫飾壺」:六角の籠の目状の透かし部分がスゴイ。

富本憲吉「染付銅彩魚と貝大鉢」:いかにも民芸調だが、普段使いに良いのではないか。
象彦「源氏物語蒔絵飾棚」:あらゆるところに源氏物語の蒔絵が尽くされている、やりすぎ作品。

この他には、七宝の濤川惣助、陶芸の板谷波山、河井寛次郎、北大路魯山人、十五代樂吉左衛門、漆芸の柴田是真、染織の芹沢銈介あたりが有名な所なのだろうか(私の浅い知識の範囲でだ)。

東京で「超絶技巧展」を2回、「七宝展」を見た私はそこまで感動しなかったが(←自慢か!)、そうでない人はぜひとも工芸の傑作を見て置いてほしいものだと思う。

ちなみにうっかり開場の9時半に行ったら50人くらい並んでいたが、出る時には行列は解消していたので、それほどの混雑ではないと思う。

 

■北海道立近代美術館「近美コレクション 北の美術家群像」。
林竹次郎「積丹風景」:この人の作品では「朝の祈り」の登場回数が圧倒的だが、これなんかブリューゲルっぽくていいよね。



一原有徳「変身」:何とも言えない昆虫型変態機械のような姿が見える作品。やはり一原の作品は面白い。

2階の「みんなのアート 1,2,3」では、初めて美術に触れる子どもにも見てほしいということから、例えばシャガール「パリの空に花」の背景を斜めに塗分け、構図の見方を教えているようだ。



街中に移動し、本格オープンした札幌市民交流プラザでは、谷口顕一郎「札幌のかたち」が吹き抜けに登場だ。



もう一つ「札幌の凹みスタディ」という作品も、中空に浮かんでいる。



壁には「札幌かたち図鑑」というのが張り付けられていた。札幌のどこかの地形なのだろうが、野付半島みたいなのがあるね。



この吹き抜け空間は創成川の方が見える建物の東側にある。



さて、図書情報コーナーも立ち寄っていくか。とは思ったものの、今日はさすがに人が多い。とてもいい本があるだけに、もう少し落ち着いてくれる日が来ることを期待したい。

 

図書コーナーの席は予約席と自由席がある。ロッカーも備え付けである。



■SCARTSコート「堀尾幸男舞台美術展 乱反射」。私、舞台に興味ないからなあ~。
展示室はこんな雰囲気だった。



舞台美術のミニチュアが展示されている。モーターで動く仕掛けになっているものも多かったので、それなりに面白いのかも。



その後、段々疲れてきて、酒屋さんに立ち寄ってから帰宅。今日はまずまず好天だったが、途中でほんの少し雨の感触もあったか。


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