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一日散歩2(3)小樽

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セラミックアートセンターからバスで野幌駅に戻り、野幌から札幌へ、札幌から小樽に移動する。しかし、札幌駅から乗って来た(多少)酔っぱらった集団の傍若無人ぶりには腹が立つ。私に超能力があったら、全員死んでるぞ。

ということで、15時45分頃に小樽到着。一日散歩きっぷで3か所回ると、時間的にはかなり厳しいのである。さて、小樽駅前付近は不愉快なくらい(←これは自分勝手な我儘です)観光客がいるのだが、目的地にはあまり人がいなかった。実にありがたい。

■小樽芸術村「浮世絵コレクション展第1期 小林清親「光線画」を中心に」。
「亀戸梅屋敷」:比較のために広重の「名所江戸百景亀戸梅屋敷」が展示されており、こちらは例の梅の木がドーンと前面に描かれたもの。それに比べて清親のものはケレン味がなく、穏やかな風景である。
「両国花火之図」:まさしくドーンと大輪の花火が咲いている。これも広重の「名所江戸百景両国花火」が対比されているのだが、広重の花火は巻菱のようなトゲトゲっぽいものが浮かんでいるだけで花が無い。わずか20年強で花火がド派手になったのか。それとも「花火ってこういうものだよね」というコンセンサスが変わったのか。
「日本橋夜」:電灯のある時代というものである。

「高輪牛町朧月景」:リアリティのある鉄道図。これに対して三代広重「東京八ツ山下海岸蒸気車鉄道之図」は悲しいくらいウソっぽい。最も作成年代からして、本物の鉄道を見ずに描いた想像図ということなので、やむを得ないのだ。
「千ほんくい両国橋」:永井荷風が「明治初年の東京を窺い知るべき無常の資料」と清親の版画を評したとか。
「今戸夏月」:料亭か茶屋の2階だろうか。こちらは木下杢太郎が「夜となると、世界はいよいよ彼の手の内」「ああ昔の東京は遊惰であった」と言ったとか。

「梅若神社」:一般的に浮世絵の雨は黒い線で表現されるが、彼は白い線による雨という技法を用いた。
「品川海上眺望図」:夕日の手前に巨大な外輪船を描き、あえて逆光を表現しているもの。
「明治十四年一月廿六日出火 両国大火浅草橋」:両国大火をスケッチして回っているうちに、自分の家も焼けていたというジャーナリスト清親の面目躍如(なのかどうか)。

広重と清親の比較や技法解説など、なかなか見どころの多い展覧会であった。



2期以降も楽しみだ。



小樽美術館を通過して、国松明日香「風渡る」。


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