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Channel: 散歩日記X
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夏の旭川(2)

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昼食の後は、もちろん旭川美術館「ひろしま美術館所蔵 フランス近代美術をめぐる旅」へ。まあ、印象派を中心にしたこういう展覧会ばかりどうなんだろうという気持ちもあるが、なかなかいい作品が出品されていたのも事実である。

ギュスターヴ・クールベ「雪の中の鹿のたたかい」:これはクールベ作品の中でも、出来の良い方である。
エドガー・ドガ「浴槽の女」:ドガ得意ののぞき見カット。やはり上手い。
クロード・モネ「セーヌ河の朝(ジヴェルニーのセーヌ河支流)」:何を書いているのか正直分からないくらいモヤモヤしているが、良い作品だと思う。

ベルト・モリゾー「若い女性と子供」:女性の顔がいい。作品解説でこの人がフラゴナールのひ孫だということを初めて知った。
ポール・ゴーギャン「ブルターニュの少年の水浴(愛の森の水車小屋の水浴、ポン=タヴェン」:少年の裸体を細やかに描いた作品。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「アリスティド・ブリュアン」:塗り残しと言えばセザンヌだが、もうこの頃になると即興により特徴を捉えることの方が重要で、塗り残しなど問題ではないのだ。

アンリ・ル・シダネル「胸像、ジェルブロワ」:進化を続ける絵画だが、胸像が示す象徴的な意味あい、日の暮れた庭に残された椅子2つが示す人の気配。こういう作品の方に惹かれる私である。
アンリ・マティス「赤い室内の緑衣の女」:朱色の壁の圧迫感に対応する緑の服。マティスらしい作品。
パブロ・ピカソ「酒場の二人の女」:全体に青のフィルターをかけたような表現。上手さ全開のピカソはいい。

パブロ・ピカソ「女の半身像(フェルナンド)」:好き嫌いはあれども、これが「ザ・キュビスム」である。
モーリス・ユトリロ「アングーレームのサン=ピエール大聖堂」:青い空に巨大な聖堂。もう悩みを突き抜けたユトリロである。
アメデオ・モディリアーニ「青いブラウスの婦人像」:ピカソの青の時代の影響受けまくりだが、この陰鬱さが深みを出している。

ハイム・スーティン「椅子によれる女」:力強く、椅子をねじ切りそうな女である。
キスリング「花」:緑色をバックに赤と紫の花。キスリング得意のテラテラと光る画面がいい。
アンドレ・ドラン「風景の中の金髪の婦人」:少々芝居がかった感はあるが、力強い表情と手の動きが描かれている。

モーリス・ド・ヴラマンク「花瓶」:あっちこっちに飛び散りそうな勢いの花である。
ベルナール・ビュッフェ「赤い家」:激しさとバランス感がある。

上記で述べた中でも、ピカソとモディリアーニは良い作品ではなかろうか。個人的にはシダネルの時代逆行性が好きであるが。

  

図録がミニサイズで1300円だったので、つい購入。

■旭川美術館「木の造形セレクションI」。
土屋公雄「目を閉じて」:同心円状に立てられた、燃え尽きたマッチ棒。
三宅一樹「素足詞VII」:上半身は茶色がやや強いが、素足の部分の白木に近い色彩に目が行く。
戸谷成雄「山津波」:チェーンソーで切り刻んだところから、山が崩れ出す瞬間のよう。
戸谷成雄「湿地帯」:豆の鞘状のところにギザギザの切れ込みが入っている。ここに足を踏み入れたら、抜け出せなくなる感じがある。



旭川駅に戻り、駅裏へと向かう。


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