Quantcast
Channel: 散歩日記X
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4490

新年一発目の東京(7)

$
0
0
昼食を食べ終わって、午後の美術館巡りへ。

■三菱一号館美術館「印象派からその先へ-」。
エドガー・ドガ「踊り子たち(ピンクと緑)」:バレリーナのチュチュがピンクと緑のグラデーションになっているのだが、その色合いがいい。それからポーズの押さえ方が実にうまいのである。



メアリー・カサット「マリー=ルイーズ・デュラン=リュエルの肖像」:少々鼻の大きい女の子であるが、ファニーで可愛らしい姿をざっと早いタッチで描いたいい作品。
ジョルジュ・ルオー「バラの髪飾りの女」:肩上の部分を描いたルオーによくある構図の作品だが、女性の顔は珍しいように思う。

モーリス・ド・ヴラマンク「セーヌ川の岸辺」:緑と赤と黒の絵画。鮮やかな色彩がフォーヴの特徴を示しており、こんな作品を描くんだヴラマンク、と思った。
モーリス・ド・ヴラマンク「大きな花瓶の花」:ヴラマンクといえば「陰鬱」というイメージだったのだが、これも華やかな色使い。へえー。
モーリス・ド・ヴラマンク「村はずれの橋」:もろにセザンヌ調。これは佐伯のことを言えんぞ。

アンリ・ルソー「工場のある町」:工場の煙突から煙が上がっているところを描いているのだが、工場そのものは木でほとんど隠れているという謎の作品。
ジョルジュ・ブラック「洋梨のある静物(テーブル)」:梨と梨を置いてあるテーブルの両方が黄色のまだら文様で描かれている。楕円のキャンバス全体を描いている静物でうまく分割している印象だ。
パブロ・ピカソ「フォンテーヌブローの風景」:木が変な生き物のように見え、さすがピカソという感じがする。

パブロ・ピカソ「女の肖像(マリー=テレーズ・ワルテル)」:多分、描かれているのは若くて小粋なイイ女である(顔はめちゃくちゃなのだが)。
モイーズ・キスリング「背中を向けた裸婦」:キスリングのオリエンタルテイスト(なのか?)はいいよね。今年は札幌で展覧会もあるとのことで、楽しみである。

全体的に優しい作品をコレクションしている感がある。中ではヴラマンクのイメージが一新されたところが収穫だっただろうか。


→撮影できるのは、複製パネルである。



丸の内には彫刻が多く設置されているが、これは初めて見たような気がする、草間彌生「われは南瓜2013」。



ちょっと歩いて、もう一か所美術館へ。

■出光美術館「やきもの入門」。
「深鉢型土器(火炎土器)」:縁の透かし彫りが相当複雑。壊れるリスクを負ってまでこういう形を作りたかったということか。
「埴輪 弓を引く兵士」:これも弓を引く手や、弓の造形が壊れたりしただろうに。
「朱彩壺形土器」:弥生時代後期の土器だが、縄文の気風が残る関東・千葉で作られたのだとか。確かに鋸歯文というのが、縄文にも見える。

「須恵器長頸壺」:古墳時代後期のものだが、自然釉(灰釉)がかかっており、色彩の変化が出ている。
「灰釉短頸壺」:これは緑釉がかかっている。壺全体に均一にかかっていることから、ある程度意図的に作成しているものらしい。
「三彩練上手枕」:濃茶と薄い茶の土を練り上げ、さらに緑と褐色の釉薬で三彩にしたもの。中国唐時代のものだが、凝っている。

「油滴白覆輪天目」:油滴がくっきり出た作品。縁の白と全体の黒のバランスも見どころ。
「盆栽図屏風」:様々な鉢と植物の盆栽を描いた屏風。趣味性が強い。
「色絵松竹梅鳥文輪花皿」:柿右衛門の作品とそれをモデルにしてマイセン窯で作った2点が並んでいる。マイセンの絵付けには余白が感じられないが、色彩の明確さがある。

富本憲吉「色絵金銀彩羊歯文角瓶」:富本は「模様から模様を作るべからず」と言って、身近な風景や植物のスケッチから文を作っていたとのこと。
板谷波山「天目茶碗 銘命乞い」:夕焼けのようなグラデーションが素晴らしい。ただし、波山が失敗だとして壊そうとしたのを、出光佐三が譲り受けたため、こういう銘になったらしい。
ルオー「シエールの思い出」:別室のルオー展示。カラフルで迫力のある山を描いた作品で、宗教臭さがないのでいい。



これで美術館巡りは終了だ。休憩コーナーで冷たいお茶を飲んで、歩いてホテルに戻る。しばし休憩してから、夜の街に繰り出すか。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4490

Trending Articles