昨日は22時ころに寝たせいか、2時過ぎから断続的に目が覚める。最後の2時間くらいは寝たようだが、結局6時起床。ゆっくりと寝るという願望は果たせなかった。
朝食は購入しておいた辛子明太子おにぎり。だらだらした後、9時過ぎにホテルをチェックアウトし、神田から上野へ移動する。
早速、美術館方面に進むが、最初に行こうと思っていた東京都美術館は何だか恐ろしいくらいの行列ができている模様。思わずひるんでしまい、先に東京国立博物館へと向かうことにした。
→上野公園内では角打ちフェスをやっていたが、どうもこういうイベントはあまり好きじゃないのです。
こちらは券売所がまだ開いておらず、100円割引券を持った私は人がいる窓口に並ぶ。前から6人目くらいだったので、それほど時間がかかるまいと思ったら、一番に並んでいたオッサンがやたらに時間がかかるのだ。
これはダメな人の後ろに並んだかと思ったら、どうも複数人の券を購入していた模様。しかし、フォーク型でない並びの時に、時間がかかる人が前にいると、焦るね。つい心の中で「何やってんだよ、券買うのに何万年かかんだよ」と暴言が止まらない。
おまけにこれだけ時間が掛かったら、次の人たちは「私たちはちゃんとしよう」と思わないものだろうか。夫婦らしい男女が、券が1枚で良いのか、2枚なのかでまたもたもたしているのだ。どうして一発で出来ないかね。
と、イライラした結果、私は「出雲と大和、一般1枚」と的確に購入要件を告げて、素早く観覧券を購入。すでに開いた門から、平成館へと急ぐのであった。ふう、幸い入場制限が出るような列にはなっておらず、すぐに展示室へ。
■東京国立博物館「日本書紀成立1300年特別展 出雲と大和」。
会場をいきなり入った所に「心御柱」「宇豆柱」(出雲大社の跡から発掘された3本の丸太を組み合わせて作ったデカい柱。これのおかげで、出雲大社48m説に裏付けができたという重要文化財)があり、大混雑である。係の人が「この時間、奥の方はまだ空いています。お好きな所からご覧ください」というので、第一室の後半あたりから見ることにしたのだが、なるほど、確かに非常に快適に見ることができた。
天理大学付属天理図書館「日本書紀 神代巻(乾元本)下」:私、国粋主義から非常に遠いところにいる人なんだけど、「日本書紀」と聞くと、やっぱりワクワクするよね。但し、7世紀頃に出来たものの1300年頃の写本なので、日本の歴史は2600年もないからと、ウスラバカどもに言っておこう。
荒神谷遺跡出土「銅剣」:今回、168本の銅剣が東京にやって来た。当時は黄金色に輝いていたらしいが、今となってはボロボロの剣も含まれている。国宝。
荒神谷遺跡出土「銅鐸」:銅鐸の中で5号という奴は最古段階の形式なのだそうで、素朴で全体がツルっとしている(文様が無い)。国宝。
荒神谷遺跡出土「銅矛」:間近で見ると黒光りしているものと、錆びて緑青が吹いているものが混じっている。埋まっていた状態によるものなのだろうか。国宝。
さて、これらの国宝は私は古代出雲歴史博物館で見てきたものである。今回、それと比べると、近い距離で見ることができるのと、解説は分かりやすいような気がする。しかし、あの物量感と神秘性というのは東博の展示では感じにくい。
加茂岩倉遺跡出土「銅鐸」:合わせて30個の銅鐸が展示されている。国宝。
伝香川県出土「銅鐸」:動物に弓を射る人の図など、細やかで可愛らしい。国宝。
西谷3号墓出土「弥生土器(丹越系)」:上は特殊壺、下は特殊器台と合体した土器らしい。かなり巨大なもので、ちょっと驚かされる。
神原神社古墳出土「三角縁神獣鏡」:景初3年(=239年)の文字が入っており、卑弥呼に贈られた鏡ではないかと言われているもの。重文。
メスリ山古墳出土「円筒埴輪」:世界一巨大な埴輪(日本以外にもあるのか?)で、見た感じ2.5mくらいはありそうだ。
新沢千塚126号墳出土「ガラス碗」:ササン朝ペルシアのものらしく、かなり美しい。
新沢千塚126号墳出土「火熨斗」:もう火熨斗なんてものを知らない人の方が多かろうが、炭などを入れて使ういわゆるアイロンである。5世紀のものだそうで、こんなころからアイロンがあったんだなあと思うと、感慨が湧いてくる。
石神神宮「七支刀」:刀の線は細く、儀式用なのだろう。国宝。
藤ノ木古墳出土「金銅装鞍金具 前輪/後輪」:鉄の地に金銅張りで、まだ金色が残っている。華やかで高レベルの飾りであり、藤ノ木古墳というのが有名なのも分かる。
笹鉾山2号墳出土「埴輪飾り馬」:これは奈良県出土のものであるが、松江の平所遺跡出土の「埴輪飾り馬」(重文)と類型であるらしい。「技術交流があった」などと解説に書いてあったが、本当に交流なのか? 搾取の香りがしないでもない。
平所遺跡出土「埴輪 見返りの鹿」:鹿が振り返ったポーズをしており、造形的に面白い。重文。
かわらけ谷横穴墓出土「双龍環頭大刀」:刀身は鉄製でいまだ輝いている。重文。
上野1号墳出土「勾玉・管玉」:勾玉の方はメノウ、ガラス、翡翠の3点セットであり、貴重さが伝わってくる。
二名留2号墳出土「子持勾玉」:この勾玉は割と普通の石からできているが、その形の周りに小さな勾玉が付いているので「子持」と呼ばれているのだ。面白い。
天理大学付属天理図書館「古事記上巻(道果本)」:日本書紀に続いて、今度は古事記だ。スサノオが大蛇を退治したという名シーンらしい。
「延喜式(九條家本)巻八、巻十」:巻十では出雲に187の宮社があることが書かれている。いずれも国宝。
天理大学付属天理図書館「播磨国風土記」:大和3山が争った時に、出雲の大神がいさめようとしたということが書いてあるらしい。国宝。しかし、天理大図書館ってすごいね。
當麻寺「持国天立像」:ヒゲがワイルドで、中国っぽい印象の四天王の一人。思った以上に大きな像で、下にいる邪鬼もまた立派な姿だ。
唐招提寺「広目天立像」「多聞天立像」:広目天はやや文人風、多聞天はずっしりとした厚みがある。いずれも国宝。
大安寺「楊柳観音菩薩立像」:顔に怒りを浮かべた珍しい観音。
大寺薬師「四天王像」:ちまちました造形ではなく、これぞ「木造」という感じの四天王だ。
会場の最後まで行ってから第一室に戻ると、若干の余裕ができていたので、何とか全体を見ることができた。この展覧会、何げなく「出雲と大和」と題され、解説では「交流があった」なんてあっさり書かれているが、もっといろいろな何かがあったに決まっているので(←素人の妄想か)。もう少し深く知りたいと思う私であった。
朝食は購入しておいた辛子明太子おにぎり。だらだらした後、9時過ぎにホテルをチェックアウトし、神田から上野へ移動する。
早速、美術館方面に進むが、最初に行こうと思っていた東京都美術館は何だか恐ろしいくらいの行列ができている模様。思わずひるんでしまい、先に東京国立博物館へと向かうことにした。
→上野公園内では角打ちフェスをやっていたが、どうもこういうイベントはあまり好きじゃないのです。
こちらは券売所がまだ開いておらず、100円割引券を持った私は人がいる窓口に並ぶ。前から6人目くらいだったので、それほど時間がかかるまいと思ったら、一番に並んでいたオッサンがやたらに時間がかかるのだ。
これはダメな人の後ろに並んだかと思ったら、どうも複数人の券を購入していた模様。しかし、フォーク型でない並びの時に、時間がかかる人が前にいると、焦るね。つい心の中で「何やってんだよ、券買うのに何万年かかんだよ」と暴言が止まらない。
おまけにこれだけ時間が掛かったら、次の人たちは「私たちはちゃんとしよう」と思わないものだろうか。夫婦らしい男女が、券が1枚で良いのか、2枚なのかでまたもたもたしているのだ。どうして一発で出来ないかね。
と、イライラした結果、私は「出雲と大和、一般1枚」と的確に購入要件を告げて、素早く観覧券を購入。すでに開いた門から、平成館へと急ぐのであった。ふう、幸い入場制限が出るような列にはなっておらず、すぐに展示室へ。
■東京国立博物館「日本書紀成立1300年特別展 出雲と大和」。
会場をいきなり入った所に「心御柱」「宇豆柱」(出雲大社の跡から発掘された3本の丸太を組み合わせて作ったデカい柱。これのおかげで、出雲大社48m説に裏付けができたという重要文化財)があり、大混雑である。係の人が「この時間、奥の方はまだ空いています。お好きな所からご覧ください」というので、第一室の後半あたりから見ることにしたのだが、なるほど、確かに非常に快適に見ることができた。
天理大学付属天理図書館「日本書紀 神代巻(乾元本)下」:私、国粋主義から非常に遠いところにいる人なんだけど、「日本書紀」と聞くと、やっぱりワクワクするよね。但し、7世紀頃に出来たものの1300年頃の写本なので、日本の歴史は2600年もないからと、ウスラバカどもに言っておこう。
荒神谷遺跡出土「銅剣」:今回、168本の銅剣が東京にやって来た。当時は黄金色に輝いていたらしいが、今となってはボロボロの剣も含まれている。国宝。
荒神谷遺跡出土「銅鐸」:銅鐸の中で5号という奴は最古段階の形式なのだそうで、素朴で全体がツルっとしている(文様が無い)。国宝。
荒神谷遺跡出土「銅矛」:間近で見ると黒光りしているものと、錆びて緑青が吹いているものが混じっている。埋まっていた状態によるものなのだろうか。国宝。
さて、これらの国宝は私は古代出雲歴史博物館で見てきたものである。今回、それと比べると、近い距離で見ることができるのと、解説は分かりやすいような気がする。しかし、あの物量感と神秘性というのは東博の展示では感じにくい。
加茂岩倉遺跡出土「銅鐸」:合わせて30個の銅鐸が展示されている。国宝。
伝香川県出土「銅鐸」:動物に弓を射る人の図など、細やかで可愛らしい。国宝。
西谷3号墓出土「弥生土器(丹越系)」:上は特殊壺、下は特殊器台と合体した土器らしい。かなり巨大なもので、ちょっと驚かされる。
神原神社古墳出土「三角縁神獣鏡」:景初3年(=239年)の文字が入っており、卑弥呼に贈られた鏡ではないかと言われているもの。重文。
メスリ山古墳出土「円筒埴輪」:世界一巨大な埴輪(日本以外にもあるのか?)で、見た感じ2.5mくらいはありそうだ。
新沢千塚126号墳出土「ガラス碗」:ササン朝ペルシアのものらしく、かなり美しい。
新沢千塚126号墳出土「火熨斗」:もう火熨斗なんてものを知らない人の方が多かろうが、炭などを入れて使ういわゆるアイロンである。5世紀のものだそうで、こんなころからアイロンがあったんだなあと思うと、感慨が湧いてくる。
石神神宮「七支刀」:刀の線は細く、儀式用なのだろう。国宝。
藤ノ木古墳出土「金銅装鞍金具 前輪/後輪」:鉄の地に金銅張りで、まだ金色が残っている。華やかで高レベルの飾りであり、藤ノ木古墳というのが有名なのも分かる。
笹鉾山2号墳出土「埴輪飾り馬」:これは奈良県出土のものであるが、松江の平所遺跡出土の「埴輪飾り馬」(重文)と類型であるらしい。「技術交流があった」などと解説に書いてあったが、本当に交流なのか? 搾取の香りがしないでもない。
平所遺跡出土「埴輪 見返りの鹿」:鹿が振り返ったポーズをしており、造形的に面白い。重文。
かわらけ谷横穴墓出土「双龍環頭大刀」:刀身は鉄製でいまだ輝いている。重文。
上野1号墳出土「勾玉・管玉」:勾玉の方はメノウ、ガラス、翡翠の3点セットであり、貴重さが伝わってくる。
二名留2号墳出土「子持勾玉」:この勾玉は割と普通の石からできているが、その形の周りに小さな勾玉が付いているので「子持」と呼ばれているのだ。面白い。
天理大学付属天理図書館「古事記上巻(道果本)」:日本書紀に続いて、今度は古事記だ。スサノオが大蛇を退治したという名シーンらしい。
「延喜式(九條家本)巻八、巻十」:巻十では出雲に187の宮社があることが書かれている。いずれも国宝。
天理大学付属天理図書館「播磨国風土記」:大和3山が争った時に、出雲の大神がいさめようとしたということが書いてあるらしい。国宝。しかし、天理大図書館ってすごいね。
當麻寺「持国天立像」:ヒゲがワイルドで、中国っぽい印象の四天王の一人。思った以上に大きな像で、下にいる邪鬼もまた立派な姿だ。
唐招提寺「広目天立像」「多聞天立像」:広目天はやや文人風、多聞天はずっしりとした厚みがある。いずれも国宝。
大安寺「楊柳観音菩薩立像」:顔に怒りを浮かべた珍しい観音。
大寺薬師「四天王像」:ちまちました造形ではなく、これぞ「木造」という感じの四天王だ。
会場の最後まで行ってから第一室に戻ると、若干の余裕ができていたので、何とか全体を見ることができた。この展覧会、何げなく「出雲と大和」と題され、解説では「交流があった」なんてあっさり書かれているが、もっといろいろな何かがあったに決まっているので(←素人の妄想か)。もう少し深く知りたいと思う私であった。