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5年ぶりの旭川(3)

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■旭川美術館「水野美術館所蔵 日本画の巨匠たち」。こころ落ち着く展覧会である。
橋本雅邦「李白観瀑図」:李白が滝を見上げている実にすっとする作品。後からもう一度見に来たのだが、橋本雅邦は上手い。
横山大観「無我」:あの有名なと思ったら、3作あるようなのだ。展覧会に出品した「無我」の童子の顔に納得がいかず、もう一度筆を取ったと解説が書いてあった。
横山大観「浪高し」:これが朦朧体か。水色に白と薄墨の波模様。

横山大観「月」:自分が雲の上にいるかのような風景を墨の薄いにじみで描いている。
大観・観山「三保松原・三保富士」:観山の富士はまるで蜃気楼のような大きさと高さ。大観の這いつくばるような松林。間に同じタッチでかすかに描かれた波が、二つの屏風をつないでいるようだ。
西郷孤月「月下飛鷺」:月は木に隠れ、明るさのみで存在を示している。低空を飛ぶ鷺が、西郷の心境を表しているかのようだ。

下村観山「西洋婦人」:東洋と西洋が混在し、細かいディテールに入り込みすぎた危うい作品。17歳の時だから、それでいいのだけれども。
下村観山「宇治山」:一転して純和風の風景画。たらしこみで描かれた鹿や萱ぶき屋根がいい。
下村観山「獅子図屏風」:伝統的な狩野派の獅子と西洋風味が溶けあった屏風絵。

菱田春草「富士に龍」:朦朧とした雲の中に、驚くほどシャープな線で富士が描かれている。
菱田春草「雪中山水」:雪山を抽象化し、人物は傘で顔を隠したシンボル的表現で描かれている。
池上秀畝「盛夏」:カラフルな色彩にあふれる作品。描かれているのはソテツヤシか? 他に紫陽花、赤い花、黒い鳥。

上村松園「夏の美人圖」:緑の蚊帳(縁取りが赤)、帯の青と色彩が効果的。「あら、雨かしら」という女性の視線もいい。
上村松園「夕べ」:緑のすだれから姿をのぞかせる女性。襦袢? のチラリと見える赤が心憎い。
松林桂月「玉堂富貴錦鶏鳥」:一体このキッチュな鳥は何なのだろう。尾羽がコモドオオトカゲの模様のようだ。

堅山南風「横山大観先生」:自分で大観に作品を見せることができず、いやがる妻に持たせたところ、横山大観が「奥さん、堅山君に祝杯を上げろと言いなさい」とほめられたという作品。先生、確かにカッコよく描かれてますもんね。
山口蓬春「留園駘春」:留園は奇岩で有名らしいのだが、その岩の描き方がまるでキュビスムに見える。本当にこういう形の岩なのか。
児玉希望「烏鷺」:緑の中に白い鷺、雪の中に黒い烏。配色がダイナミック。

杉山寧「汐」:アイヌ文様を思わせる紺色に白い波模様。
横山操「赤富士」:鋭角の赤富士に金色の雲だろうか。いいじゃないか。



■旭川美術館「木をつかうくらし-3.木で味わう「食う寝るところに住むところ」」。

「灰皿」:何と木製の蟹の形をした灰皿。実用品なのか?
「儀式用スプーン コートジボワール ダン族」:持ち手が女性の体をした大きなスプーン。もてなし上手と認められた人のみが使えるらしい。
「ベッド」:2m×80cmくらいか。堅そうだが涼しいのかもしれない。寝て見たいベッドである。



この他にも街中で見かけた彫刻作品の写真を掲載してみる。まずは多田美波「座標」。高さが28mあるらしく、なかなか彫刻と気がつかない。



旭川西ロータリークラブ贈。



加藤顕清「婦人像・裸立」。



一色邦彦「鳥人譜」。ちょっと危ないかも。



木内禮智「手」。旭川といえば。



善本秀作「石狩の夏」。



山内壮夫「隼の碑」。



ザッキン「人間の森」。



加藤顕清「人間像・青年」「思惟像」。悩み系。

 

加藤顕清「男子座裸像」。細マッチョ系。


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