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芸術の秋-東京(11) 仏陀の大冒険

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■松濤美術館「醍醐寺」。国宝9点。感想「仏陀の大冒険!」。



「過去現在絵因果経」:少々ヘタウマ(いや、ヘタヘタか)な味わいの画である。登場人物の服がオレンジ、黄色、赤、ピンク、茶色と綺麗な暖色系なので、草木の緑と良くマッチしている。文字部分はしっかり書かれているが、所々朱筆が入っているのも面白い。太子が修行の末菩薩になり、如来になり、最後に魔王軍を迎えるというスペクタクル巨編。また魔王軍の面々がコミカルなお姿なのである。これ、ハリウッドで映画にしないかな?

「弘法大師二十五箇条遺告」:かつてはこれの持ち主が真言宗の正統後継者であったというとんでもない品。
空海「大日教開題」:途中はメモ書きのようになっており、空海の姿まで想像できそうだ。
「虚空蔵菩薩像」:色彩が良く優美な作品。

豊臣秀頼「豊国大明神 神号」:秀頼8歳にして揮毫したもの。只者じゃない。
「織田信長黒印状 醍醐寺年預宛「就在陣祈祷之…」」:信長が醍醐寺に戦勝祈願を行い、その結果として書いたお礼状。お寺の方が来て解説をしていたのだが、「信長のイメージと違うでしょ」と言っていた。

「豊臣秀吉書状(席次の次第)」「徳川家康書状「真言宗諸法度」」:これで3英傑勢ぞろい。お寺の人が「本文は祐筆が書いていて、本人が署名だけしたのでしょう」と言っていた。

こぢんまりした美術館なのだが、なかなかの名品ぞろいの展覧会であった。開館直後の第一グループとして入館したのだが、10~20人程度しか観覧者はおらず、ほぼ思う通りに展示物を見ることができた。

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