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灼熱の東京(6) 画が上手い

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本日一つ目の展覧会は三菱一号館美術館の「画鬼暁斎」である。開場5分前位についたところ、待ち人数は約30人。まあそれほど混雑している訳でもなく、見やすかったと言える。早速、感想を書いていこう。

暁斎「枯木寒鴉図」:暁斎の鴉は実に上手い。黒の濃い薄いのメリハリが素晴らしい。
コンドル「霊照女・拾得図屏風」:中国風の日本画を見事に描いている。
暁斎「白鷺に猿図」:白鷺の堂々とした姿に頭を抱えておびえる猿。対象的だ。

暁斎「恵比寿と大黒図」:何やら二人で争っているように見える。鯛と鼠が描かれているのも象徴的。
暁斎「二羽の泊鴉に山水図」:やはり鴉が迫力があって上手い。
暁斎「蝦蟇仙人・鉄拐仙人図」:蝦蟇仙人は目がエロおやじ風。鉄拐仙人は飄々としている。

暁斎「大和美人図屏風」:これは傑作だ。女性の衣、背景の花、描かれた屏風の中の風景と見どころ沢山。
暁斎「鯉図」:水の流れを堂々と描いてしまうのがいい。
暁斎「蜥蜴と兎図」:メトロポリタン美術館に小品の動物図が大量にコレクションされている模様。生き生きした作品。

暁斎「ぶらさがる猿図」:これまた上手い。
暁斎「白衣観音図」:動物の生き生きした感じから一転、岩のごつごつした感じを軽々と描いている。
暁斎「龍神に観音図」:モヤモヤした雲の中からあらわれる龍、水がスーッと回りを流れている観音。

暁斎「布袋の蝉採り図」:こちらは仙がいにも似た飄々とした作品。
暁斎「鳥獣戯画 猫又と狸」:さらにモグラやイタチのような動物も描かれ、ええじゃないか風に踊っている。
暁斎「柿に鴉図」:柿の朱色があって、さらに鴉の黒が引き立っている。

暁斎「秋冬山水図」:滝の流れなど、無造作にも見えて思い切りのいい線が素晴らしい。いや、線に力がある、迷いがないとはこういうことなのでは。
暁斎「放屁合戦図」:屁の流れを描き、さらにそれはカーブしているのだ。屁で戦うエスパーの物語かもしれない。
暁斎「極楽太夫図」:着物の色彩の鮮やかさがたまらない。

実にバラエティに富んだ作風で、かつ線が素晴らしく上手いのが印象的な人であった。途中でカーテンで仕切られたコーナーがあったのだが、「18歳以下は大人と一緒に見て下さい」という春画コーナーであった。昨今、日本でも限定された展示ではあるが、春画がオープンになってきたかも知れない。

下記の写真右はジョサイア・コンドルとの記念撮影コーナーであった。

 

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