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Channel: 散歩日記X
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冬じゃない東京(8)

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上野で昼食を取り、場所の関係から仲御徒町で地下鉄に乗り、六本木へ。

■新国立美術館「ダリ展」。チケット売り場では「10分待ち」の掲示があったが、中に入ってみたら20分は待ったと思う。しかも、この美術館、ガラス窓が巨大すぎて温室っぽくなっているせいで、非常に暑かった。

「アス・ピアンクからのカダケスの眺望」:点描が使われ、非常に印象派的。
「静物」:こちらは色彩分割がなされ、抽象画に近い。
「アス・リャネーの浴女たち」:キュビスム、点描の技法が使われ、印象派的な作品。

「巻髪の少女」:1926年のこの作品から、急にいわゆるダリっぽさが出てくる。具体的には人間の描写と空の青がそういう感じなのだ。
「アルルカン」:突然、巨大な作品。ピカソの影響も強そう。
「子ども、女への壮大な記念碑」:あらゆるダリ得意のイメージを並べた、ダリらしい作品。

「見えない男」:タイトルと作品が直接的に結びつかないため、この辺、特に客が込みだした。そんなに理解しようと頑張るなって。
「紅冠鳥の巣と同じ温度であるべきナイト・テーブルに寄りかかる髑髏とその抒情的な突起」:宙に浮かぶグランドピアノを描き、非常に美しい作品。
「見えない人物たちのいるシュルレアリスム的構成」:海辺のベッドと椅子に人型のへこみがあり、赤い宝石のようなものが側にある。本などでもあまり見たことのないダリ作品。

「オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち」:ふにゃふにゃの楽器を持ち、花の形をした顔を持つ女。これも全く見たことのない作品。
「「狂えるトリスタン」のための習作」:習作と言いながら、完成度は高い。
「不思議の国のアリス」:ここでまた混雑が始まり、進み方がスローダウン。

「ガラの晩餐」:「秋の人肉食い」とか「ソドム風口直し」とか、かなりの悪趣味。
「記憶の固執」:金とダイヤモンドでできた、デザインピン。ちょっとこれは欲しい。
「ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌」:妙に可愛らしいキャラクターが登場して、面白い。

「ポルト・リガトの聖母」:あらゆるモチーフがちりばめられており、飽きさせない。



「ラファエロの聖母の最高速度」:カラフルな原子と聖母の顔がないまぜになった作品。現在の目で見ると、原子というよりもクオークにも見える。
「素早く動いている静物」:動的な静物という矛盾したテーマに取り組んだ作品。それでいて、ガラス瓶や水、コップの表現はあまりにも上手い。隅々までダリ的な作品。これはかなり素晴らしい作品である。
「テトゥアンの大会戦」:本人もガラも登場する、巨大作品。世界は二人の前にひれ伏すのか。

最後の「メイ・ウェストの部屋」では記念撮影ができるが、所定の位置に立つには20分くらい待つとのことだったので、横からの撮影で済ませて置いた。



会場を出てみると、驚きの大行列になっており、15時過ぎには1時間待ちになっていたようだ。まだ昼頃に来た私は幸いだったようだ。素晴らしい作品もあり、良い展覧会だと思うが、目玉作品を横浜と福岡でそれぞれ見たことがあるので、今一つ盛り上がれないのが惜しかったかな。

 

この後、銀座に移動する。この日はメインの通りが歩行者天国になっていた。バーの開店時間まで少しあったのだが、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで「第356回企画展 榎本了壱コーカイ記」というのがあったので、それを見た。

 

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