突然小樽に行きたくなった理由の一つは、小樽芸術村が本格オープンしたので、まずは行ってみるべしと思ったからである。旧北海道拓殖銀行小樽支店だった似鳥美術館からスタート。
エレベーターで4階に上がり、無料の解説機も借りて鑑賞開始。
上村松園「桜可里図」:母娘を描いた、松園のいい作品。
横山大観「晨暉」:ひねもすのたりのたり、という風情の海を描いた作品。
横山大観「月四題」:これは春夏秋冬、四つの変化がしっかり楽しめる。
村上華岳「聖蓮華顴世音立影圖」:かなり細長いサイズだが、線の柔らかさ、顴世音のふんわりした感じがいい。
川端龍子「長春花」:生々しい生命感のある作品。
川端龍子「松鯉図」:鯉の力強さと、水中における滑らかさが両立した作品。
円山應擧「秋紅寿帯鳥・刀豆白鷺」:一番古い作品なのに、これだけなぜかむき出し展示。
加山又造「白い鳥」:銀地に黒い草むらと白い鳥を描き、「鳥」という作品と色彩が対照的で面白い。
片岡球子「リヴァー(大雪山ほとりの石狩川)」:川と手前から3層になっている山並み、雲が陽気にガチャガチャと描いてある。
中川一政「薔薇」:洋画は大人しい作品が多い中で、このド迫力の中川バラは良いと思う。
柳原義達「道標 鳩」:見た感じの質量感が素晴らしく、思わず触れてみたくなる。
ルノワール「女性像」:きわめて小さい作品だが、女性の髪の中に糸のように色が配されており、細やかである。
ヴラマンク「雪の村」:陰鬱な空に雪。ヴラマンクの教科書的作品。
ビュッフェ「ノートル・ダム・デュ・ギドの荒廃した礼拝堂」:あまり黒い描線はなく、海と空は自然な風景画。但し、建物が何となく妙な形状である。
山下清「桜島」:同題の作品が2点並んでいるが、曇りの日と晴れの日の海の色の違いが表現されている。
岸田劉生「静物(リーチの茶碗と果物)」:スッと立つかのような茶碗と湯飲み。その周りの果物は、暗くうずくまっているようだ。
棟方志功「屏風 樹下七妃図」:七色の女人像は「二菩薩釋迦十大弟子」と対比的である。
高村光雲「郭子儀」:実にすきのない彫刻。ここの木彫はかなりよろしい。
地下には「アールヌーヴォー・アールデコグラスギャラリー」が移設されてきていた。
ラリック「GROS POISSON VAGUES」:ラリックのイメージを覆す、緑色の魚型ランプ。色彩がステキである。
ドーム「ダリア文彫花器」:赤と緑でありながら、厭らしくない仕上がり。
その他、印象に残ったこと。
・3、4階の展示室には椅子が多い。背もたれこそないが、しっかりした座りやすいもので、これは観覧者に嬉しいものだろう(さすがニトリ?)。
・解説機が無料なのは嬉しいが、解説内容の前半は展示作品のところにも文字で書いてあり、あまりありがたくない。
・解説のスキップ機能(10秒とか)が欲しい。
・4階はガラスケースの中に作品が展示されているが、映り込みのそんなにない良いケースだと思う。
・階段ホールにラリック、ミューラーなどのライトが使われているので、忘れずに見たほうが良い。
・観覧者はそれなりにいたが、落ち着きなくすぐに移動してしまっていた。もう少しゆっくり見たほうがいい(大きなお世話か)。
・地下の中央にランプなどが展示されている大きなケースがあるのだが、そこの天井にもランプが釣ってある。うっかり気がつかないことも想定されるので、注意して見たほうが良い。
・図録は1000円と大変お得。
・今回はコレクションの代表作をフラットに並べた感じだが、今後の展示替え、企画展に期待したい。
この建物内は撮影禁止なので、最後に出口のところのライトだけ撮影しておこう。
続いて旧三井銀行小樽支店へ。こちらは銀行建築を鑑賞するものである。
1階の営業室。昔の雰囲気が感じられる。
何と天井へのプロジェクションマッピングをやっている。日本の四季をモチーフにしたもので、それなりに綺麗。確か7分間の映像だったか。
貸金庫室に貸金庫の小箱がこれだけ並んでいるのは、初めて見たような気がする。
貸金庫内に結露が発生しないように、周りにはタイル張りの回廊が作ってある。さらに回廊だと死角ができることから、四隅に鏡が貼ってあり、ぐるっと一周見通せるようになっているのだ。確かに手を振ってみると、自分の背中がうつっているのが分かる。
何だか妙な部屋で、推理小説であれば、貸金庫内で殺人事件が発生し、その時、回廊にいた主人公は犯人の姿を見ていないという謎が描かれるに違いない。
続いて、既に行ったことのあるステンドグラス美術館は軽く見ておこう。今回は19世紀イギリスの十字架と燭台が新たに設置されていたが、それ以外は同じ展示の状態だったと思う。
それでも、ここのステンドグラスはなかなか壮麗だ。
3館見て、3時間半くらい経過してしまったので、相当見ごたえのある美術館であることは間違いない。この後、飲み屋で話をすると、地元ではまだ行ったことがない人が多いらしい。得てして近い所の人ほど、「そのうち見る」と思っていることが多いと思うのだが、ぜひ見に行って盛り上げてほしいものだと思った。観光客にだけ独占させておくのはもったいないよ。
この後、小樽文学館に移動し、コーヒー休憩。時間がないので、展示は観覧せず。
エレベーターで4階に上がり、無料の解説機も借りて鑑賞開始。
上村松園「桜可里図」:母娘を描いた、松園のいい作品。
横山大観「晨暉」:ひねもすのたりのたり、という風情の海を描いた作品。
横山大観「月四題」:これは春夏秋冬、四つの変化がしっかり楽しめる。
村上華岳「聖蓮華顴世音立影圖」:かなり細長いサイズだが、線の柔らかさ、顴世音のふんわりした感じがいい。
川端龍子「長春花」:生々しい生命感のある作品。
川端龍子「松鯉図」:鯉の力強さと、水中における滑らかさが両立した作品。
円山應擧「秋紅寿帯鳥・刀豆白鷺」:一番古い作品なのに、これだけなぜかむき出し展示。
加山又造「白い鳥」:銀地に黒い草むらと白い鳥を描き、「鳥」という作品と色彩が対照的で面白い。
片岡球子「リヴァー(大雪山ほとりの石狩川)」:川と手前から3層になっている山並み、雲が陽気にガチャガチャと描いてある。
中川一政「薔薇」:洋画は大人しい作品が多い中で、このド迫力の中川バラは良いと思う。
柳原義達「道標 鳩」:見た感じの質量感が素晴らしく、思わず触れてみたくなる。
ルノワール「女性像」:きわめて小さい作品だが、女性の髪の中に糸のように色が配されており、細やかである。
ヴラマンク「雪の村」:陰鬱な空に雪。ヴラマンクの教科書的作品。
ビュッフェ「ノートル・ダム・デュ・ギドの荒廃した礼拝堂」:あまり黒い描線はなく、海と空は自然な風景画。但し、建物が何となく妙な形状である。
山下清「桜島」:同題の作品が2点並んでいるが、曇りの日と晴れの日の海の色の違いが表現されている。
岸田劉生「静物(リーチの茶碗と果物)」:スッと立つかのような茶碗と湯飲み。その周りの果物は、暗くうずくまっているようだ。
棟方志功「屏風 樹下七妃図」:七色の女人像は「二菩薩釋迦十大弟子」と対比的である。
高村光雲「郭子儀」:実にすきのない彫刻。ここの木彫はかなりよろしい。
地下には「アールヌーヴォー・アールデコグラスギャラリー」が移設されてきていた。
ラリック「GROS POISSON VAGUES」:ラリックのイメージを覆す、緑色の魚型ランプ。色彩がステキである。
ドーム「ダリア文彫花器」:赤と緑でありながら、厭らしくない仕上がり。
その他、印象に残ったこと。
・3、4階の展示室には椅子が多い。背もたれこそないが、しっかりした座りやすいもので、これは観覧者に嬉しいものだろう(さすがニトリ?)。
・解説機が無料なのは嬉しいが、解説内容の前半は展示作品のところにも文字で書いてあり、あまりありがたくない。
・解説のスキップ機能(10秒とか)が欲しい。
・4階はガラスケースの中に作品が展示されているが、映り込みのそんなにない良いケースだと思う。
・階段ホールにラリック、ミューラーなどのライトが使われているので、忘れずに見たほうが良い。
・観覧者はそれなりにいたが、落ち着きなくすぐに移動してしまっていた。もう少しゆっくり見たほうがいい(大きなお世話か)。
・地下の中央にランプなどが展示されている大きなケースがあるのだが、そこの天井にもランプが釣ってある。うっかり気がつかないことも想定されるので、注意して見たほうが良い。
・図録は1000円と大変お得。
・今回はコレクションの代表作をフラットに並べた感じだが、今後の展示替え、企画展に期待したい。
この建物内は撮影禁止なので、最後に出口のところのライトだけ撮影しておこう。
続いて旧三井銀行小樽支店へ。こちらは銀行建築を鑑賞するものである。
1階の営業室。昔の雰囲気が感じられる。
何と天井へのプロジェクションマッピングをやっている。日本の四季をモチーフにしたもので、それなりに綺麗。確か7分間の映像だったか。
貸金庫室に貸金庫の小箱がこれだけ並んでいるのは、初めて見たような気がする。
貸金庫内に結露が発生しないように、周りにはタイル張りの回廊が作ってある。さらに回廊だと死角ができることから、四隅に鏡が貼ってあり、ぐるっと一周見通せるようになっているのだ。確かに手を振ってみると、自分の背中がうつっているのが分かる。
何だか妙な部屋で、推理小説であれば、貸金庫内で殺人事件が発生し、その時、回廊にいた主人公は犯人の姿を見ていないという謎が描かれるに違いない。
続いて、既に行ったことのあるステンドグラス美術館は軽く見ておこう。今回は19世紀イギリスの十字架と燭台が新たに設置されていたが、それ以外は同じ展示の状態だったと思う。
それでも、ここのステンドグラスはなかなか壮麗だ。
3館見て、3時間半くらい経過してしまったので、相当見ごたえのある美術館であることは間違いない。この後、飲み屋で話をすると、地元ではまだ行ったことがない人が多いらしい。得てして近い所の人ほど、「そのうち見る」と思っていることが多いと思うのだが、ぜひ見に行って盛り上げてほしいものだと思った。観光客にだけ独占させておくのはもったいないよ。
この後、小樽文学館に移動し、コーヒー休憩。時間がないので、展示は観覧せず。