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Channel: 散歩日記X
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小旅行(3)

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野幌から眠りそうになるのをこらえて、乗り換えも無く小樽に到着。小樽では紀伊国屋さんにより、本を一冊購入してから、美術館に急ぐ。

■小樽芸術村「浮世絵コレクション展第2期 川瀬巴水「旅」」。4期ともすべて行きたい展覧会、第2期は川瀬巴水である。
「明治神宮菖蒲田」:総天然色と言いたくなるようなカラフルさ。
「東海道風景選集 日本橋(夜明)」:川瀬は歌川広重の模倣と言われ、あえてこのシリーズを作ったらしい。昭和15年作であるから、石造りの日本橋である。高速道路はまだない。
「東海道風景選集 品川」:品川はまだ小さな漁港だね。

「東海道風景選集 泉岳寺」:小さな星が一つ、そして建物の明りが三つ。
「東海道風景選集 田子之浦の夕」:手前から土手がせりあがり、富士がさらにぐっと上にそびえる。
「伊豆・西平」:これはスケッチかな? 北海道にも来たことがあるそうで、小樽の画もあるそうだ。ぜひそれを展示して欲しかった。

「日光中禅寺湖」:ちょっと観光絵葉書的な大衆的、あざとさが感じられる。
「塩原畑下」:細かく雪が流れる吹雪の描写はチャレンジングだ。
「信州松原湖」:あまりにもクリアーな風景は、マグリットを思い出させる。

「箱根芦ノ湖」:ド直球富士山。



「雪の宮島」:南の方であっても、雪があった方が収まりが良いのか?



「歌舞伎座」:やはり東京を描いて本領発揮するような気がするな。
「五月雨(荒川)」:抑えたグレー、青、緑の色彩。こういうのが良いと思う。
「暮るゝ雪(江戸川)」:同じ版木で多色摺と藍摺の作品があり、藍摺の方にも人気があったとのこと。

最後に、新版画のコーナーがあり、嬉しい作品があった。
吉田博「瀬戸内海集 帆船 午前」「同 午後」「同 夕」「同 夜」:色彩を違えた4連作とは思っていなかった。



吉田博「石鐘山」:微妙にものの形がゆがんだところが、ラフスケッチ、いやマンガの味わいを感じさせる。遊びのある作品。

これで500円ならば、ぜひ見るべきだと思う。



ところで、最初に券を購入するときだが、年配の女性三人組が訳の分からない金の払い方をして、入口を大混乱にしていた(受付のオジサンが具合悪そうになっていた)。さらに「あのホテルの中もこの券で見れるんでしょ」とか、謎の質問(ヴェネツィア美術館のことか?)で、さらに時間を取り、黙って待っていた私もブチ切れそうになるのだった。人間的な修練が足りませんな。

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