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3都市巡り(3) 前衛かあ…

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白石から長躯、苫小牧へ。苫小牧市美術博物館は駅から遠い。とは言っても帰りの電車まで約2時間半あるので、歩いて行こう。3つの美術館を巡るにはどの順番で行くのが効率的かというのはあるのだが、今回は苫小牧を最後にしなければならなかったため、まあやむを得ないのだ。

■苫小牧市美術博物館「青森県立美術館コレクション展 アオモリ・アヴァンギャルド 堆積する創造のエネルギー」。苫小牧市博物館が美術博物館となってから1年。この展覧会はその1周年記念の特別展覧会である。

工藤哲巳「あなたの肖像」:ビーチチェアに巨大な頭部と体の溶けた破片のようなものが残されている。人類の進化の末の姿なのか、それとも人類が滅んでとてつもない年数がたったのか。
工藤哲巳「カゴの中のカゴの中のカゴ」:3重のカゴの中には、それぞれ目が配置されている。監視の果てか?
高山良策「UFO飛来者」:乳房が6個、頭部には手のようなものがついた奇怪な生物。バサバサの髪の毛がある頭部から直接足が生えた生物は、宇宙人というよりは、日本の土俗的な妖怪のようである。妙にくにゃっとした近未来的な黒電話が面白い。

棟方志功「御吉祥大辨財天御妃尊像図」:フルカラーで135×69センチ。すごく高そうだ。
阿部合成「田園」:画としてしっかりしている中に、歪んだあぜ道からシュールの香りが漂う。
阿部合成「海を見る詩人」:灯台に吸い寄せられる詩人。海にオレンジ色の灯火。なかなか奇麗である。

今純三「露天、屋台店さまざま青森県画譜第3集」:作者は「考現学」を唱えた今和次郎の弟だとか。実に細かいスケッチで、屋台の「やきとり、おでん、和洋酒、茶めし、牛めし、ライスカレー」という看板書きを伝えている。
今純三「乗り物いろいろ青森県画譜第10集」:今度は様々な乗り物の画に加えて、大通の交差点をどっちからどっちへ、何の乗り物が何台移動したかという調査書きが記されている。これ、出版されたら好きな人も沢山いるのでは?(へえー、今調べると1973年に出版されているのか)。
伊藤隆介「Aomori Blue」:モデルの回転とカメラの上下動で複雑な映像を作っている。モデルは基本的に3層構造で、上は青い色(但し、映像ではあまり青く見えない)、中は青森県美術館のイメージ(例の「あおもり犬」がいる)、下は土器の破片が埋まった地下空洞のような感じ。

ということで、面白い作品もあったのだが、セクション2の「”アオモリ”に堆積する前衛精神」は何となく困ったなあ。私の年代だと60年代後期から70年代の「ゼンエー」って、非常に痛くしか見えないのだよ。まあ、もちろん自分の年代のものが後の時代から同じように見られているのは認識しているけれども。



公園内の彫刻などを見ながら、苫小牧駅に戻り、次は恵庭だ。

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