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春の東京(11)草間彌生

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晴れではあるが、結構寒い蒲田駅からスタート。有楽町まで行ってから、六本木に向かう。いつもは浜松町(大門)で乗り換えていたのだが、この方が歩きが少なく、電車賃も安いらしい。



■国立新美術館「草間彌生 わが永遠の魂」。ド迫力! 一見の価値あり。ニキ・ド・サンファルと勝負できるのは、草間彌生だ。


→美術館の前から草間ワールドがスタート。


→驚くべきは、ちょっとした体育館くらいある第一室。連作「わが永遠の魂」132点! と立体の「真夜中に咲く花」「明日咲く花」が中央に展示されている。これには「おおっ」と声を上げざるを得ない。作品は所によっては3段がけで、この写真で見るよりはるかに圧力が強い。


→裏庭にはシンボリックなカボチャ。

「玉葱」:背景が黒と茶色のチェック模様であること以外は、割と普通の写実的な玉葱だ。
「残夢」:人間の腕のようなヒマワリの茎。大地の赤も印象的。
「Untitled(No.White A.Z.)」:細かい網目をひたすら描いた作品だが、人間からこれだけ息苦しいものがでてくるのか。

「Airmail Stickers」:「VIA AIR MAIL」というステッカーが所狭しと張り付けられたコラージュ作品。
「マカロニ・コート」:表面に様々な形のマカロニが張り付けられた、金色のコート。
「自己消滅」:自分の写真に水色のドットを打った作品。これも息が詰まるようだ。

「草間の自己消滅」:16mm映画作品。サイケデリックで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド的な(他に表現が思いつかない)音楽が流れている。寝そべっている猫に葉っぱを置き、すごく嫌がられているのが可笑しい。
「死の海を行く」:銀色のボートに男性器を模したともいわれるモコモコした形をたくさんつけたもの。しかし銀色のせいか、ライティングがいいのか、非常にかっこよく見える。
「南瓜」:壁に貼られた、メタリック南瓜3連作。金色、銀色、瑠璃色が主である。

「水玉脅迫2017」:キメッキメのマネキンに赤い水玉がついている。君たち、自分が変だって気が付いている?
「生命の輝きに満ちて」:暗闇の中、様々な色彩のライトが点滅する、黙って美しいと言い切れる作品。すべてのライトが赤になる瞬間も素晴らしいし、一瞬の暗闇の後、すべてのライトが点灯する瞬間も素晴らしい。
「最後の晩餐」:食卓に例のモコモコがついている。しかもそれは「可愛い」としか言いようのない色と模様なのだ。

「天上よりの啓示」:黒い地の中に赤い線と黄色の点。オプアートに近いかもしれない。
「我ひとり逝く」:天井と床の鏡の間に、はしごをかけた作品。分かっていても床をのぞき込んだ時の景色には、思わず声を上げさせられる。
「よみがえる魂」:黒の極小から2cm程度までの点を、波打つように描いた気合の入った作品。

「黄樹リビングルーム2017」:展示室全体が黄色の中、壁・椅子・テーブルにコップや皿までもが黒地に黄色の点で装飾されている。スタイリッシュだが、ここにいると頭がおかしくなりそうだ。

展覧会の会場は10時のはずだったが、券の購入も入場も10時前に始まった。誰かが柔軟に取り計らったらしい。もっとも、開場前は2~300人程度の行列だったように思えるが、私が出た時には行列は無しであった。

比較的見やすい展示会場で、大きな作品も多いため、あまりストレスは感じなかった。なお、かなり広大な第一室は写真撮影が可能なのだが、一般的なカメラは使用不可で、携帯電話・スマホによる撮影のみOKとのこと。いったい理由は何だろうか…。カメラはシャッター音が消せるから、それがかえってよくないということなのだろうか(スマホもシャッター音を消すアプリがあると思うが)。それとも、あまり本格的なカメラ機材を持ち込まれるのを予防するためだろうか。

 

乃木坂から表参道に移動。

ここで腹が減ってきたのだが、表参道ではいつも食事に困る。何しろ私が入るような店が全くないのだ。普通の食堂・レストラン・喫茶店でいいのだが…。15分くらい迷走した結果、結局3回目の訪問となるコンビニでおにぎりを1個買い、それで終了。まあ、少し腹を空かせて夜に備えるか。

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