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20190429ギャラリー巡り

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本日は北大→近美→三岸と大物が多く疲れた。

■北海道大学総合博物館「失われた川を尋ねて『水の都』札幌」。札幌は扇状地の上にできているため、当然のことながら川は多く流れているという話。但し、いろいろ改造されてしまっているため、もうその姿は分からなくなっているのだろう。



その後、常設展示を見る。昨年の北海道大震災に関する言及がなかったらダメだなあと思っていたら、さすがにパネルが1枚あった。



最近、ボーダーツーリズム(国境線辺りでの旅行ということか)の展示が気になっているが、今回は対馬が取り上げられていた。

「魚が旨い対馬の居酒屋」:サザエ、アワビ、ヒオウギガイなどの貝と一夜干しの海鮮焼きがお勧めとか。アカムツの刺身も絶品であるらしい。そりゃ期待しちゃうよね。



「対馬のとんちゃん」:対馬に暮らす韓国人から伝わった豚肉と野菜を炒めた名物料理だそうだ。



少し気温が上がってきた中央ローン脇を抜け、札幌駅まで歩く。



■北海道立近代美術館「相原求一朗の軌跡-大地への挑戦-」。
「白いビル」:進駐軍のモータープールであった、有楽町ビルを描いたもの。モダーンである。
「トワ・エ・モア」:ジャズ&ボーカルグループを描いたもの。相原の作風らしい、モノトーンな感じ。
「崖下の道」:余分なものを排し、家と崖、そして影のような人物を描いて、心象風景のようである。

「風景」:秋の狩勝峠がまさに「大地!」という感じで描かれている。筆を細かく動かしてみっちりと塗ることで重厚な感じを出している。
「自転車のある風景」:彼にとって、ヨーロッパの石は北海道の大地と等価なものに見えたのではなかろうか。
「原生林の中の二つの湖」:湖を区切る大地が大きな亀が伏しているかのように見える。

「二月のレモン色の空」:ご来光が差すかのような、光の柔らかさが感じられる。ちょっと珍しいのかも。
「ひとすじの雪」:土の色彩表現に非常に気を使った作品だと思う。
「歌志内・雪」:童話チックにも見えるが、これは素晴らしい作品だと思う。明りがついているのは、雑貨屋さんだろうか。

彼の描く風景は私からすると「友達の畑、こんな感じだった」という、ごくありきたりの感想を出させかねないのだが、時代を追って作品を見ると、また一味違うものが感じられて、なかなか楽しかった。



■北海道立近代美術館「風雅の人 蠣崎波響展」。
「桜鯉図」:ちょうど展示時期に合わせた季節ものの作品だ。桜を愛でるかのような鯉の視線である。
「虎図」:空を見上げる人間くさい虎。松前藩が復領し、誇らしげな本人を表しているとも言われているそうだ。



■北海道立近代美術館「ざわめきの中へ 謎めくコレクションの打明け話」。
岸本裕躬「さよなら・・・母さん」:謎めいた人々は表情がゆがんだり、黒いものが顔にかかっていたりする。背景の赤はあの世を表しているのか。
三輪途道「月の舟」:月に住む天女の像として作られたもの。不思議な表情とポーズである。
片多徳郎「霹靂」:風神(男)と雷神(女)の人知を超えた夫婦喧嘩のような作品。

後は「拝啓、藤田嗣治様」と題した、フランク・シャーマンと藤田に関する展示をやっていた。なかなか見るものが多く、常設展側も充実している。

■三岸好太郎美術館「道化に魅せられて」。大体の作品を見ていると思うのだが、今回は順路のスタートが2階になっており、エレベータに乗るよう勧められる。珍しいスタートだ。

「三岸君の肖像(倉田三郎作)」:これは初めて見る作品だ。妙にまじめな三岸の顔である。
「横浜散策」:これ見たことあったかなあ。まるでジャングルのような横浜である。
「道化」:大原正志という大学時代北海道に暮らした絵画所蔵家が今回寄贈した作品とのこと。



「まあ、大体見てるんだよな」と思いながら軽めに流していると、今回、この「花」(通称「おばけの花」)が気になった。最初は分からんなあと思っても、ずっと見ているうちに気になりだす作品ってあるものだ。



この作品は額がとても良いことにも気が付いた。

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